くるくる

このワケワカメな世の中への考察

記憶喪失

考えすぎて記憶が吹き飛んだことがある。

 

記憶を失うまでには、

20人くらいの人格が

脳内でずっと喋り続けていて

とうとう限界が来た時、

救いの手のように

黒い何か、私の知らないものが、

全部飲み込んで、忘れさせて、

私を優しくしてくれる。

 

ようやく考えなくて良くなったんだって、

救われた気持ち。

 

救いの手。強制終了。ブラックアウト。

 

そこからは死体のようになる。

何もできない。何もしない。

呼吸の音を聞くだけ。

 

黒い私、と呼んでいるが

他の子のように脳内で喋ったりしないので、

何を考えているかわからないし、

呼びかけに応えてもくれない。

 

ただ沈黙していて、

緊急事態の時だけ

私の記憶を喪失させて、

乗っ取ってしまう。

 

乗っ取られた間は破壊活動に勤しんでいる。

ガラス瓶を投げつけて、

バリンと割れる音で

意識が戻る。

 

破壊されたガラス瓶を

拾い集めて掃除している時、

自分の心が整っていく。

 

黒い私が何なのかはわからないけれど、

私の大好きな人。

緊急事態に一番の救いをもたらすのはこの子。

愛している。